川崎「あ……あたしと付き合ってくんない?」 八幡「!?」
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340: ◆hr9g98PXaA[sage]
2018/02/26(月) 19:51:17.31 ID:efZg9rsaO




八幡「デスノート……?」




 すでに我が家の屋根は見えていた。玄関をくぐれば生ぬるい空気が体を包むだろう。

 晩冬の寒さに肩をすくませつつ歩いていると、道端に黒々としたノートが落ちていることに気がつく。


「デスノート……?」


 黒い表紙に、細く白い文字が記されている。それは確かに英語でデスノートと書いてあった。

 疑う余地もなくいたずらだろう。

 俺は鞄(かばん)開け筆箱を掴み取る。すぐさま愛用のシャーペンをノックし、くだんのノートを拾い上げた。

 パラパラっと最後から数ページめを開く。


「今夜10時にすべてのリア充が爆発して死亡……っと」


 俺はデスノートをぽいっと投げ捨てて帰宅した。夜には、そんなくだらないイベントのことはまるっきり忘れていた。



  ◇



「えーっと……なんだっけこれ」


 バイトの帰り道。暗い歩道を照らす街灯の下、真っ黒なノートが光に当てられていた。

 こんなノート、映画かドラマで見た覚えがあるんだけど……。


「ん? デス、ノート……かな?」


 ああ、そうだ! デスノート! 名前を書いた人が死んじゃうやつ!

 なんでこんなところに落ちるの……? ていうか本物?

 黒いノートを拾い上げてみる。

「んー……」

 確か、ここに名前を書かれた人は、死ぬ前の行動も操作されちゃうんだよね……。

「………………」

 あたしは黙ってボールペンを取り出し、拾ったノートにその場で文字を書き込んでいく。

「比企谷八幡は川崎沙希と結婚し幸せを感じながら寿命で死亡……っと。…………って何やってんのあたしは!?」

 正気に戻ったあたしは手にしたノートを、ボールペンごとそばの茂みに投げ捨てた。

「はぁ……はぁ……はぁ……バイトで疲れてんのかな」

 妙に体が熱く疲れた。変な気分だ。

 さっさと帰って明日の分のお米洗おっと。



  ◇


──午後10時──


 世界の各地で、数億から数十億の爆発があった。
 八幡と沙希は爆発して死んだ。


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