10: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:02:15.40 ID:u1+Fwgaf0
いや、暇もなにも大人しく勉強すればいいのだが、やはりやる気が起きない。
それどころか、またも対面で私の集中を阻害する事態が。
11: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:03:41.90 ID:u1+Fwgaf0
白望「……」
豊音の様子が気になって視線を外せずにいると、後方からゴロゴロと、キャスターを引きずる音が聞こえた。
12: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:04:58.83 ID:u1+Fwgaf0
ついさっき叱られたばかりなのに、お喋りなんか始めたら、また胡桃に睨まれる。
そう何度も叱られていては、それこそ勉強なんてテンションではなくなってしまう。
13: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:06:06.33 ID:u1+Fwgaf0
豊音があの子を見て抱いた感想なら、髪型や制服の着こなしが気になったとか、「お嬢さん良い後ろ姿してるねー」だとか、それらしいものをいくらでも想像できてしまう。
だから、あの下級生そのものではなく、あの子がとった行動に絞って考える。
14: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:07:08.83 ID:u1+Fwgaf0
豊音があの子に興味をひかれた理由と、あの子が去ったあと、若干テンションが下がっていた理由だ。
これがわからない。
15: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:08:07.31 ID:u1+Fwgaf0
周りを見渡す。
少し離れた席に、先ほどのあの子の姿があった。
16: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:09:06.64 ID:u1+Fwgaf0
豊音「貸してー」
「え?」
17: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:11:01.27 ID:u1+Fwgaf0
困っている誰かに横から声をかけ、本を取ってあげて、「これでいい?」と声をかける。
そして相手は予期せぬ手助けに困惑しつつ礼を言う。
そんなシチュエーションに、憧れがあったのではないだろうか。
18: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:12:58.78 ID:u1+Fwgaf0
そこで私は、再来した豊音の念願成就の機会を逃すまいと、あの子から踏み台を奪った。
踏み台を奪ってしまえば、豊音が行動を起こすまでの猶予が生まれる。
19: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:14:16.00 ID:u1+Fwgaf0
とにかく、これで気がかりはなくなった。
いい加減勉強に手をつけようと、シャーペンを握る。
20: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/09/23(土) 20:15:24.61 ID:u1+Fwgaf0
白望「えっと……いや……」
確かに今のは豊音に……新しい子に甘々だったと気づいて、ほんの少し頬が熱くなった。
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