2: ◆nvIvS/Qwrg
2017/09/22(金) 23:15:45.11 ID:dMS0cusf0
【まほ編】
私の好物はカレーという事になっている。
そう言ってしまうと語弊があるかも知れない。
3: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:19:40.97 ID:dMS0cusf0
質問の真意を図りかねた。
少なくとも戦車道に関連のある質問とは思えなかったからだ。
だからつい、何故そんな事を訊くんですかと、質問を返してしまった。
記者は、訊き返されるとは思っていなかったらしく、少し戸惑ってから、読者が知りたがっていますからと答えた。
戦車道の記事の読者が、本当にそんなことを知りたがるだろうか。
4: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:23:13.94 ID:dMS0cusf0
記者が言うのだから、知りたがっている読者も居るのだろう。
仮にそれが嘘だったとすれば尚更、それは嘘をついてでも私から答えを引き出す価値がある質問という事になる。
そんな質問に、特に無いですと答えるのは如何にも据わりが悪いように思えた。
黒森峰どころか西住流のイメージにも関わるかも知れない。
そう思い、頭を捻った。
5: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:28:23.42 ID:dMS0cusf0
何か言わなければと考え、苦し紛れに捻り出した答えがカレーだった。
好きな食べ物というよりも、美味しい食べ物だ。
だからあの時、私の好物は焼肉やラーメンになる可能性も十分あった。
たまたま選ばれた美味しい食べ物がカレーだったというだけの事。
6: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:38:24.31 ID:/mlfol/Z0
この出来事がどのような余波を生むものか全く想像がつかず、少し怖くなったりもしたが、これによってあの記事を読む人が増えるのは有難い事だとも思った。
そもそもあれは、戦車道についてのインタビュー記事なのだ。
意外にもお母様からのお叱りは無く、あなたはそんなにカレーが好きだったかしらと言われるだけに留まった。
否定も肯定もしようが無いので、ええ、まあ、はいと答えておいた。
7: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:41:51.76 ID:/mlfol/Z0
その晩、私はお母様に本当の事を話した。
これこれこんな経緯でカレーと答えました、と。
こんな事を気に病み、懺悔する様に話す娘が滑稽に見えたのかも知れない。
お母様は笑って私の話を聞いてくれた。
8: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:52:38.17 ID:/mlfol/Z0
【ダージリン編】
へえ、まほさんの好きな食べ物にはそんな理由があったのね。
確かに、カレーという感じではないものね。
ふふ、失礼。
9: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/22(金) 23:57:03.55 ID:/mlfol/Z0
好きな飲み物は紅茶。
好きな食べ物は、さて。
そもそも、明確にこれだと言える好物を持っている人は、あまり多くないんじゃないかと思うわ。
10: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/23(土) 00:01:07.79 ID:qnLsZ75x0
そういえば、学園艦の母港が横浜にあるお陰で私にも定期的に中華ブームが来るけれど、それを好物とは呼ばないわね。
所謂マイブームを好物と呼べる人も居るけれど、私はもっと長期的な方が好物と呼ぶに相応しい気がするの。
話を戻すけれど、好きな食べ物はミートパイよ。
何の含みも無く好きなの。
11: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2017/09/23(土) 00:07:02.45 ID:qnLsZ75x0
まほさんはもしかして、好物が無い事がコンプレックスなのかしら。
確かに、好きな食べ物というのは個性になるものね。
でも、だからこそ、好きな食べ物が無いというのも立派な個性になる。
だからそんな事を気に病む必要は無いと思うけれど、好物探しで色々な食べ物を試してみるのも面白いかも知れないわね。
39Res/13.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20
