吉良「はい。……もしもし、川尻ですが」メリーさん「私、メリーさん」
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16:名無しNIPPER[saga]
2017/09/21(木) 01:32:35.10 ID:Eju+AkfL0
【路上】

康一「鈴美さんがいってしまってから、もうひと月ですか。時間が経つのは早いですね」

露伴「まったくだ」

康一「鈴美さん、天国で元気にしていると良いですね」

露伴「……そうだな。と言っても、成仏した先に行きつくのが天国といえるような場所なのかは想像の域を出ないがね」

康一「もう、露伴先生は相変わらず素直じゃないですね」

露伴「彼女のことはぼくの中でも一応の整理はついたというわけだよ」

露伴「それよりも、一連の出来事において未だに気になって仕方ないのは、吉良を死地に追いやった存在の正体についてだ」

康一「『メリーさん』ですか。鈴美さんの話していた」

露伴「『メリーさん』はいったい何者だったのか。スタンド使いだったのか……あるいは」

康一「あの時、鈴美さんは吉良の斜め後ろにいて、吉良が『メリーさん』の声に反応して振り返ったところを見ていたんですよね」

露伴「ああ。立ち位置的には吉良の背後に鈴美さんがいて、さらにその後ろに『メリーさん』がいたことになる」

康一「鈴美さんは『メリーさん』の声は聞いたけれども、その姿を確認することはできなかった。なぜなら彼女も、あの小道では振り返るわけにはいかなかったから」

露伴「ああ、そういうことだ」

康一「じゃあ、吉良だけが『メリーさん』の正体を見たってことですね」

露伴「吉良は鈴美さんのことを『メリーさん』と勘違いしたと聞いている。それに、振り返れば直ちにあの世へ引き込まれる」

露伴「もし見ていたとしても一瞬だったろうし、気が動転していたようだったというから、視界には入っていたが認識はできなかったかもしれない。いずれにせよ、死人に口なしだ」

康一「でも、吉良が小道まで引き寄せられたお陰で、川尻浩作という会社員に成り済まして潜んでいたことが分かったわけですし。それはよかったですよね」

露伴「ああ。コンビニの中にいた客が、一人で奇妙な行動をとっているサラリーマンを目撃していたこと、そして吉良が小道に入って自ら名前を口にしてしまったことも含めてね」

露伴「出来過ぎなほど上手くいっている。もしほかの場所で『メリーさん』に殺されていれば、ぼくたちはこの杜王町で永遠に吉良の影を追い続けることになっていた」

康一「そうですね……」


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