提督「なにも考えない」
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26:名無しNIPPER[saga]
2017/09/21(木) 02:46:27.84 ID:HHHfTSsX0
大潮にとって幸せを手にすることはとんでもなく容易くなってしまっていた。いかなる障害であろうと容易に解決できた。いつしか当然ながら司令官と大潮は最も親密な関係を結んでいた。

今夜はその記念すべき節目であった。「見ろ。大潮。とても素晴らしい夜だ。世界が俺たちのことを祝福してくれているようだ」。その言葉は大潮にとって笑ってしまうほどに完全なる真理であった。そうこの世界は私と司令官を結びつけるためにあったのだ。

姉の反応には少し身構えたが、姉も心からの祝福をくれた。そうだ。存在しない未来の因縁なんて存在しないのだ。何もおかしくない。

彼女は本来私がいたはずの、あの一人の部屋にいるのだろうか。

その姿を想像すると少し心を痛めたが、これこそ世界の定めた正しい運命なのだから仕方がない。大潮は愛しい人に肩を抱かれ夜空を見上げた。この忌々しかった景色も今では愛おしい。

時間が止まってしまったかのように、風の切る音も虫の鳴く声もなく、静寂のみ。ただ夜空の星々が煌々と青く輝いて…………。そう「あの夜と何も変わらない」。大潮はゾッとした。

おわり


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