37: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 23:08:04.42 ID:n8F8dLyB0
でも彼らは違う。
ファンの皆が安部菜々とした会話なんて握手会の数秒程度で、あちらは菜々のことを知っていても菜々は彼らの名前すら知らないのだ。
親密な関係とは、とても言えない。
「なのに、なんでナナのことを思い出せてるんですか……!?」
菜々の言葉にプロデューサーは「わからないのか?」とまるで子供に常識を教える大人のように菜々の疑問に答えた。
「菜々がアイドルだからだよ」
気分がいい時は安部菜々の曲を流す人がいた。
辛いことがあった時に安部菜々の姿を見て、また立ち上がれた人がいた。
毎週テレビで安部菜々のコーナーを見るのを楽しみにしている人がいた。
安部菜々のライブを見たのをきっかけにアイドルに憧れた人がいた。
「今ここにいる人達は大なり小なり、アイドル安部菜々の影響で人生が変わった人達だ」
「ファンにとってアイドルは人生の一部だからな。それをなかったことになんてできないさ」
きっかけさえあれば、もしかしたら無くても、彼らならすぐに菜々のことを思い出しただろう。
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