32: ◆8ozqV8dCI2[saga]
2017/09/18(月) 23:02:41.62 ID:n8F8dLyB0
そして今、無事に菜々を見つけたプロデューサーは語る。
「それから皆で手分けして探してたんだ。芳乃に場所を聞いたら移動中みたいだったから、とりあえず菜々が行きそうな場所を手当たりしだいにな」
「そんな……」
ウサミン星の技術力がたった一人の幽霊によって破られた。
その事実は菜々にかなりの衝撃を与えていた。
「あらゆる生物の記憶から消えてこの世から痕跡を失くす、だっけ?すごい技術だけど、あの世の幽霊は盲点だったみたいだな」
プロデューサーが笑っているが、菜々は動揺を隠せない。
盲点、まさにその通りだ。
ウサミン星人は基本的に寿命はなく、死亡事故がない限り永遠を生きるので死ぬことがない。
そして星の技術発展のみを考えて生きるウサミン星人は、半ばで死んだところで未練を残すような強い感情を持ち合わせていない。
菜々が今のように感情を持つようになったのだって、地球にきてからだ。
さらに言えば、今まで調査してきた星にも幽霊なんてものはいなかった。
感情を持て余すほどに発散して生きる地球人が稀なのだ。
だから、ウサミン星には幽霊という概念が存在しない。
認識しようにも理解から不可能、幽霊とはまさしくウサミン星人にとって盲点と呼べる存在だった。
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