17:名無しNIPPER[saga]
2017/10/01(日) 23:31:31.95 ID:uNsbdbVD0
席に着いて手に持ったポップコーンとドリンクをホルダーに入れると、ちょうどタイミングが良かったようで、予告編が流れ始めた。
まだ本編が始まるまでには時間がありそうなので、さっきから気になっていたことを聞いてみる。
「ところでPさんはこの映画の内容とか知ってるのか?」
まあ、もし知ってたらアタシと一緒に見ようとは思わないはずだけど。
「内容は知らないなあ。あ、でも恋愛映画だっていうのは知ってるぞ。奈緒はそれで見るのためらってたんだろ?まったく、奈緒はかわいいな」
「はぁ!?か、かわいいとかなんだよ!?別にためらってねえから!ちょっと考えてただけだから!ほんとなん…」
いきなりPさんの指を唇に押し付けられて言葉が止まる。
「奈緒…映画館では静かにな?」
まただ。今日何度目かわからないこの感覚。胸がきゅーってなって、それからかーっと熱がこみ上げてくる感覚。
Pさんと一緒の時だけ感じるドキドキ。ほんとアタシ、どうしちまったんだろう?
「お、始まるみたいだな。映画なんて久々だな」
Pさんは人の気も知らないで呑気にポップコーンをつまんでいる。
その仕草が無性にむかついて、アタシはPさんからポップコーンをバケットごとひったくって、スクリーンに注目した。
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