84: ◆Vcl4B/DaxY[sage saga]
2017/09/22(金) 04:46:06.53 ID:5XW34NLp0
絡繰君が生き返らせたという結果は奇妙だった。
野菜達は……蜘蛛のような機械の脚で床を這っている。
四季ヶ原「時矢くん? これは?」
絡繰「歩行運動補助装置だ」
野菜「」テクテクテクテク
絡繰「ふはははっ! この脚を取り付ける事により――――」
四季ヶ原「うわぁぁぁ!!!!!!!! やめて!!!!!!!!」
四季ヶ原ちゃんが一気に焦った様子を見せる。
彼女は涙を浮かべながら歩く野菜達をかき集める。
四季ヶ原「や、安らかに眠らせてあげてよぉ……」
絡繰「……お前がそれを言うのか? 末恐ろしいぞ」
四季ヶ原「わたしは……もう死んじゃっているのはどうしようもないし……」
四季ヶ原「わたしじゃあの子たちを生き返らせることは出来ないし……」
四季ヶ原「それだったら……死んでいるままぐちゃぐちゃに愛でてあげて良いかなって。ぇへ」
絡繰「んー……まあ、一理あるな。愛でる云々はともかく」
絡繰「これもあくまで機械が動いてるわけで、植物自体が蘇生したわけでもなし」
絡繰君は淡々と語る。
絡繰「けど、見方を少し変えてみると……新たな命を吹き込まれたと言えなくも無いか?」
絡繰「生物に備わっている運動行為を、この装置の補助により行う事が出来る」
絡繰「つまりコイツらは疑似的には生きている」
淡々と語る絡繰君の表情は、次第に綻んでいく。
四季ヶ原「それは生とは言えないし、第一植権侵害だょ……」
絡繰「お前が言うと矛盾している気がしてくるな。……まだ会ったばかりなのにひしひしと感じる。お前はかなりおかしいぞ」
四季ヶ原「そこはお互い様、だろうねぇ……ぁへ」
結局運動補助装置は取り外される事となった。
絡繰君は残念そうにしていた。
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