【安価・コンマ】オリ主トレーナー「ブイズとイチャイチャする」【ポケモン】★2
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288:名無しNIPPER[saga]
2018/03/11(日) 23:21:55.10 ID:W4axnkrv0
私は母の顔を記憶から手繰り寄せていた。

父は私が小さい頃に母と離婚し、私を引き取って養育した。元々寡黙であった上に仕事が多忙を極めていたため、父から母の事はあまり聞けていない。

父は母と映画の撮影で出会ったらしい。『控えめな女性だ。自己主張しない私とは馬が合った』とは父の言葉だ。

結婚式の写真を見せてもらったことがあった。

面影から女性的とも中性的ともとれる母の顔は、私とよく似ていた。どうやら私の容姿は母の血を色濃く受けついでいるようであった。

母は女優としてそれなりに売れていたとのことだが、私に物心がつき、映画の中に母の面影を探すようになったころには既に表舞台から姿を消していた。

詳しい話は聞かされていなかった。それに父が話したくないことなら詳しい話は聞かない方がいい、と子供ながらに考えていた。

マコト「カナタ殿の母上、チホ殿は遠くホウエンの地で長期の療養生活を送られております」

マコト「私の母上は一時チホ殿と同じ病院に入院しておりました。その縁で会ったことがあるだけです。もし疑うなら今ここで電話をかけることも出来ますが」

私は二の句が継げなかった。これが嘘だとして、その嘘をつくメリットはなんだ?私を混乱させることか?

チホ、という名前を脳内で反芻する。彼女は私が数度しか聞いたことのない母の名前を口にしている。とても私には嘘と思えなかった。

カナタ「母は、どんな人でしたか」生唾を飲み込んでやっと言葉を絞り出した。

マコト「控えめだが、優しかったと聞いている。そして」私を手で示した「カナタ殿と同じくポケモンと会話できた、と」

カナタ「だからあまり驚かなかったんですね」

マコト「カナタ殿に関しては事前にツクモ殿から面談があったからな」

その時、ドア越しに「ご飯できたぞー」というサンダースの声が聞こえた。もう夕食か。

はーい、と返事し私は契約書にサインした。

カナタ「マコトさん、改めて、よろしくお願いします。母の話も、後で聞かせてください」

うむ、と彼女の口元が曲がった。


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