7: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:18:08.42 ID:UExX3PfR0
「いま、この場で、キス……してくれる?」
男の両の眼を見据え、問う。
8: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:20:46.17 ID:UExX3PfR0
しかし、驚いた事に。
戸惑いながらもその男は奏の眼を見据え返し、訴えるのだ。
9: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:22:26.70 ID:UExX3PfR0
奏は、この人に付いていく事を決めた。
今まで自分が感じた事の無い本気を感じたから。
この人はきっと、自分を今の場所から救ってくれると信じたから。
10: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:25:06.88 ID:UExX3PfR0
「ねえプロデューサー、この写真ブログに載せていい?」
11: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:26:46.48 ID:UExX3PfR0
確かに以前、浴衣を着る仕事をした時に彼女は写真を撮っていた。
普段はあまり着る機会のない和服は彼女にとっても新鮮だったようで、撮影以外にも彼女は自分のスマホで何枚も写真を撮っていた。
その中で、彼女の提案で俺とのツーショット写真も1枚撮っていた。
12: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:29:57.87 ID:UExX3PfR0
「おはようございま〜す」
「プロデューサーさん、美嘉、おはよう」
事務所所属のアイドル、塩見周子と速水奏が出勤してきた。
13: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:32:13.75 ID:UExX3PfR0
「ねえ奏、今度の休み確か被ってたよね?良かったら買い物付き合ってくんない?」
「今度の休み……日曜ね。良いわよ。けど美嘉、この前も買い物行ってたけど、何か欲しいものがあるの?」
「そうなの!秋の新作が出ててさ、まだチェックし切れてないんだよね〜」
14: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:35:55.06 ID:UExX3PfR0
パソコンに入力するキーボードを打ち込む手が止まった。
急に名前を出されて虚を突かれた形になった。
何故今の話の流れで俺の名前が出てくるのだろう。
15: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:38:42.80 ID:UExX3PfR0
「まあ最近仕事が忙しいなかでの折角の休みなんだから、思いっきり楽しんでくると良いよ」
当たり触りの無い言葉を掛けて、仕事に戻ろうとする。
「そういえばプロデューサーさんは休みの日って何してんの?」
16: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:42:04.98 ID:UExX3PfR0
我ながらつまらない回答だと思う。
だが、他に答えようがないのだから仕方がない。
他人が期待するような面白かったり華やかだったりする回答は用意出来ない。
17: ◆z4l4K/HkZ2
2017/09/09(土) 00:44:49.04 ID:UExX3PfR0
ある日。
急に上司である部長から呼び出しを受けた俺は叱責を受けていた。
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