まさかりかついだ ルクリリ様
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33:名無しNIPPER
2017/09/08(金) 03:34:04.36 ID:nzHpWTAn0

金時山の頂上から見る眺めは、最高でした。

秋らしい高く澄んだ青空に、もう雪化粧が始まっている富士山。

眼下には御殿場市街や芦ノ湖なんかが見渡せる、雄大な景色が広がっていました。


その中で、私の信頼できる仲間達が、楽しそうに笑いあっています。

それは、眩しい光景でした。


だから私は、なんだかその光景が目に染みてしまって、涙を堪えようと目を細めたのです。

ぼんやりと光に包まれる世界で、不意にローズヒップさん達の賑やかな声が聞こえてきました。


「 ちょっと! なんか斧がありましたわー! オーホッホッホ! これで鬼に金棒、無敵のローズヒップ、爆誕ですわー! 」

「 あっはっは! ちょっとヒップ! それ持ったままそこでポーズとんなさいよ! 写メってダージリン様に送るから! 」


私、聖グロリアーナ女学院に来て本当に良かった。

もうずうっと、この楽しげな光景を見ていたい。

そんなことを、心の底から思いました。

涙はもう堪えるのを諦めて、流れるがままに任せました。

ただ、それを仲間達に見られるのは恥ずかしかったので、私は荷物を置く振りをして、仲間達に背中を向けました。



そして、私の横に人の気配。

ルクリリ様でした。



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