速水奏「ピローキス」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/27(日) 19:49:16.36 ID:PvjaGSFXO
「我慢、できないのね……?」


 好きだと思ってもらえているのは知っていて。でも不安で、怖くて。だからもっと言ってほしくて。そうして言わせてしまう。何度も何度も、言ってほしくて言わせてしまう。

 本当に求めているのは私なのに。したくて、してほしくて。何もかも……アイドルとプロデューサーとしてのこと。恋人同士にしか許されないこと。叶えたいと願って求めてしまう何もかもを、プロデューサーさんから求めてもらっている。

 私からの何もかもをプロデューサーさんからしてもらっている。しなければ堪えられない。しないでいたら我慢もできず決壊してしまう。そんないろいろを、ずるい私はプロデューサーさんに求めてしまう。


「いいのよ、我慢なんてしないで……。何でも、何度でも、してあげる」


 プロデューサーさんに甘えて。私のことを分かってくれる……我慢のできること、我慢のできないこと、私の……そんな何もかもを理解してくれているプロデューサーさんに甘えて求める。

 大人のように振る舞う私よりも、ずっと大人なプロデューサーさん。引っ張って振り回しているように見られる私の手を、しっかり握って導いてくれるプロデューサーさん。私を気遣って、私に負い目を感じさせないために求めてくれる。拒めば私が我慢をし切れず、結局無理矢理に求めてしまうようなこと……それを察して、責任のすべてを被って求めてくれるプロデューサーさん。

 それを知っているずるい私は、いつも……今だってまた、求めてもらおうと求めてしまう。


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