2: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2017/08/27(日) 12:49:25.73 ID:IW6lTeqn0
○
「別に、嫌いってわけでもないよ。必要ならするし」
雑誌をぱたんと閉じて、左に詰めて座り直し、隣の空間をぽんぽんと叩いて「座ったら?」と促すとプロデューサーは「失礼します」と笑って私の隣に腰掛けた。
「そうだっけ。まぁいいや。昼メシ行かない? 次の仕事は夕方からだから時間あるだろ」
「うん。私もそう思ってたんだけど、来たときはプロデューサー忙しそうだったから」
「あー。気をつかわせて申し訳ないな」
「全然。ほら、行くなら早く行こうよ」
雑誌をマガジンラックに戻して、すっと立ち上がる。
「財布と車の鍵持って来るから待っててよ」
「じゃあ駐車場で待ってるよ」
「外で待ってると暑いだろ」
「私が溶ける前に来てね」
あわあわと自分のデスクに駆け戻るプロデューサーにひらひらと手を振って、事務所を出た。
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