【モバマス】カワイイボクらは斃れない【アニデレ】
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28: ◆ZDnQS3y4DE[sage]
2017/09/10(日) 23:21:55.00 ID:RU5x15+CO
「………幸子ちゃん…………外しちゃったんですか?」

 新メンバーになって初めてのミーティングで小梅が常務に問いかけた。

「彼女はこのプロジェクトにそぐわない。だから外れてもらった。」

「でも…………私は幸子ちゃんよりすごいアイドル………知りませんよ…………。」

 小梅は常務の考えが理解できなかった。常務はうまくアイドルが集められずに困っていたはずだ。そこに幸子が飛び込んできたのは、常務には天の恵のように思えたはずだと小梅は思っていた。

「構わない、このプロジェクトは君たちふたりで進める。」

 小梅はその言葉を聞いてテーブルから立ち上がった。

「私も…………このプロジェクトから離れます。」

「…………結局は仲良しこよしのオトモダチグループか。」

 常務の暴言に小梅は一切動じない。

「……私は幸子ちゃんのプロデュースで……このプロジェクトに起用されました。…………プロデューサーだけ首を切って、アイドルだけ取り込むなんて虫のいい話…………ないでしょ?」

「ごめんね、輝子ちゃん……。」

 そう言って、小梅は会議室をあとにした。それまで輝子は一切口を開かなかった。

 小梅が去って5分ほど経ったころ、輝子は座っていたパイプ椅子を思い切り蹴り飛ばして立ち上がった。

「君も去るつもりか?」

 小梅が部屋を出てからずっと頭を抱えていた常務がようやく口を開いた。

「……あたりまえだろ?……デビューする前に4人もメンバーに逃げられてる奴と、……どうして仕事が出来るんだ。」

 輝子の声は必死に怒りを押さえているためか、か細く震えていた。

「……君はチャンスを不意にすることになるんだぞ?」

「…………他人と…………仲良しこよしすらできないお前に…………どんなチャンスが用意出来るんだ?」

 輝子はそのまま会議室のドアを蹴り飛ばして出て行った。

 会議室には常務が1人残された。

「…………言うに事欠いて、仲良しこよしのオトモダチグループか…………。そんな台詞が口から出る者に誰が付き従うものか。」

 常務はポケットから内線用のPHSを取り出し、輿水幸子が所属する部署に連絡を取った。

「……常務の美城だ、輿水幸子の担当プロデューサーにつないでほしい。」


 翌日、プロジェクトは担当を幸子の所属する部署に移され、予定通り、星輝子、白坂小梅、そして、輿水幸子の3名をメンバーとして予定通り進められることとなった。

 ただし2回目以降のミーティングの議事録に美城常務の名前が載ることは無かった。


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