【モバマス】カワイイボクらは斃れない【アニデレ】
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26: ◆ZDnQS3y4DE[sage]
2017/09/10(日) 22:35:53.91 ID:RU5x15+CO
「昨日の今日ですまないが、君にこのプロジェクトを外れてもらいたい。」

 翌日、出社早々に呼び出された幸子は、常務にそう告げられた。

「そうですか、やはりボクではイメージが合わなかったんですね。」

 それに対して幸子は食い下がることも無く、まるで予想通りといった態度で返事をした。

 そもそも幸子は今回のプロジェクトに自分が参加できるとは思っていなかった。

 常務が声をかけた高垣楓、このプロジェクトに最初に起用された木村夏樹、松永涼と自分のイメージが大きくかけ離れていたことを幸子は理解していた。

 そして、彼女達から反感を買うほどこだわりの強い彼女が、起用するアイドルで妥協するとは思っていなかった。

 もちろん、輝子のチャンスをなんとかしたいという想いはあった。そのために一緒にいた小梅を巻き込んだのだ。彼女であれば常務の求めるアイドル像と大きな差異はないと踏んでいた。

 実際に呼び出されたのが自分だけであることから、小梅はこのまま起用されるのだろう。とりあえずはプロジェクトの存続は決まったようだ。

 だが、これは幸子の主目的ではない。幸子の今回の一番の目的は、常務に自分の存在を印象付けることだった。

 うまく、常務に自分をアピールできれば、今後の大きな仕事につながるかもしれないと考えて幸子は動いていた。

 結果として、幸子は自分の積極性や向上心だけで無くアイドルとしての実力までアピールでき、常務に今回のプロジェクトへの採用まで検討させられた。これは勝利と言えるだろう。

 また、幸子は自分が輝子のチャンスに便乗したという構図を望んでいた。幸子にとって、輝子は大事な友人であるが、同時に対等なライバルでありたいとも考えていた。

 輝子のおかげで自分がチャンスを掴めたとなれば、自己評価が過小気味な彼女の自信になると思っていた。

 輝子や小梅と共にステージに立つ機会が失われたのは残念だったが、幸子の目的はほぼ達成できたと言える。

 これ以上を望むのは常務の印象を損ないかねない。

 幸子は次に与えられるであろう機会の為に今回は引き下がることにした。


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