未央「兄貴、何か隠してるでしょ」未央兄「なんのことだ?」
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2: ◆jduRT8bHyo
2017/08/22(火) 20:51:44.50 ID:Eo53XMUN0
 4月も半ばを過ぎた、ある日の夜。
 ピンポンピンポンピンポーン、とリズミカルにチャイムが3回鳴った。

「ったく、なんだよこんな時間に……」

 煙草を灰皿に押し当てて、火を消す。
 時刻はすでに22時を回っている。
 最近、通販であれこれ注文してはいるが、こんな時間には来ないだろう。
 そもそも、宅配業者ならあんな子どもみたいなチャイム3連打はすまい。
 酔っ払った大学の悪友どもだろうかと予想しつつ玄関に向かい、はいはいどちら様ですか、とドアを開けると。

「よっ、兄貴! アナタの可愛い妹、未央ちゃんが遊びにきたゾ☆」

 ばちこーん、と上目遣いにウインクを飛ばしてくるその小娘の顔を見て、俺はドアノブを即座に引いた。
 鍵も回す。いや、合鍵を持っているかもしれない。チェーンも掛けておくべきだな。
 がちゃん。

「えっ、ちょっ、兄貴!? なんで閉めるの!? 開けてってば! あーけーてー!」

 奴がガチャガチャドンドンとドアの外で騒いでいるのには構わず、俺は素早く室内へと戻った。

 まずい。
 非常にまずい。

 あーくそッ、なんだってんだ、いきなり!
 特段新しくも古くもないアパートのワンルーム、今年で住み始めて3年目、慣れ親しんだ自室の中を改めて見回す。
 ベッド脇の壁、床に放り出された雑誌、ノートパソコンに取り込み中だったCD……パソコンそのものもか。
 奴に見られてはまずいものがいくつかある。一番やばいのは、壁のやつか。

 急がなくては……!


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