未央「兄貴、何か隠してるでしょ」未央兄「なんのことだ?」
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17: ◆jduRT8bHyo
2017/08/22(火) 21:05:49.11 ID:Eo53XMUN0
「じゃ、じゃあ、なに? つまり……ぜんぶ、私の早とちりだったってこと……?」

 未央の顔が、みるみるうちに赤くなっていく。

「早とちり? 何を言ってるんだ、見事な推理だったぜ。おまえ、サスペンスドラマの主役とかイケるんじゃねーの? 美少女アイドル探偵みたいな」
「そういうことじゃないんだよぉ! 昨日発売の! 私のポスターは!? 買ってないの!? 貼らないの!?」
「貼らねーよ?」
「なんで!?」

 なんで、って、さっき自分で言ってただろうが。

「妹の水着ポスターを堂々と部屋に貼ってあるとか、変態すぎるだろ」
「う、うう、ううううう〜〜〜!」

 頭を抱えて唸り始める妹。
 推理パートではわりとカッコ良さげだったし、さっきも女神のような慈愛を見せていたのに、もはやその面影は一切ない。
 でもまあ、こんなもんだよな。未央だし。今のほうが俺の妹っぽくて、なんか安心する。
 アイドルを始めて、色々と変わっちまったのかな、とも思ったが。
 変わったんじゃなくて、きっと、別の一面が増えただけなのだろう。
 だから、根っこの部分は変わらない。

 気づけば俺は、未央の頭に軽く手を乗せていた。
 昔から未央が泣いたり駄々をこねたりした時はこうやってあやしていたから、兄貴としての条件反射みたいなものだ。
 そして、その手を未央が払いのけるのも、お決まりの流れだ。

「もう! ……もう! ほんと私、バカみたいじゃん!」
「さっきから何をそんなにヒスってるんだよ、おまえ」
「うう、なんでわかんないかな、兄貴のバカ! 他に何か言うことはないの!?」

 うーん、言うこと?
 ……まあ、実を言うと、卯月ちゃんのこと以外にも未央に隠していることがあるんだが。
 どうせ俺がドルオタで卯月ちゃん推しなのはバレたわけだし、この際だから言っちまうか。

「未央、実はな」
「……じ、実は?」
「俺、最近……凛ちゃんもいいなって思うようになって」
「……あ、兄貴の、バカーーーーッ!!」


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