卯月「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝完結編】
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338: ◆AyvLkOoV8s[saga]
2017/10/01(日) 18:54:34.82 ID:McMGTohp0

(――ああ。やっぱり、俺の力じゃ、一級Pには叶わないか)

(――その中でも、『隻眼の王』だもんなあ)

(――俺に出来たのは、ほんの数秒、気を逸らすくらい……)


(――でも、それで十分だ)



(――すごいな、あの神崎蘭子って子)

(――赫子の相性をひっくり返して、あの隻眼の王の鎧を剥いだ)

(――大量の羽赫に晒されて、中身も一撃でボロボロだ)

(――あっちは無傷。…いや、再生したのか)

(――どっちにしても化け物だ)

(――一分も持たずに死ぬだろう俺とは大違いだ)



(――『あの子』は……)

(――そうか。壁の向こうか)

(――ここからじゃ見えない。もう這いずって顔を見に行く力も残ってない)

(――ただ音を聞けば、無事だってことだけは分かる)


(――なあ、シンデレラプロジェクトのプロデューサーさん)

(――あんたには同情する。あんただって、アイドルを守りたかっただけなのは分かる)

(――気付いてたかな。あんたの表情が、蘭子ちゃんとそっくりだったこと)


(――でも、俺だってそうだ)

(――俺にとっても、あの子は俺が見つけたシンデレラだ)


(――初めは、仕事として『財産』のために適当にスカウトしてきたのは確かだ)

(――こんな所に連れてきてから、大切な人になってしまった)

(――悔やんでも遅かった。俺には力が無くて、あの子を逃がすことが出来なかった)

(――ただ逃げ切れることだけを祈り続けた)

(――力のない自分が悔しかった)



(――人間も喰種も関係ない)

(――プロデューサーなら、誰だって同じだ)

(――飛鳥Pや夏樹Pも同じだ。だから、俺に託して肉をくれた)


(――俺だって)



美穂P(――俺だって、美穂に幸せになって、生きて欲しいのは同じなんだ)


美穂P(――守れて、よかった)



美穂P(――――――――――)



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