卯月「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝完結編】
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323: ◆AyvLkOoV8s[saga]
2017/09/30(土) 19:59:56.33 ID:tOgUoRhE0

飛鳥(――だから)

飛鳥(――だから、ボクは目の前の光景を信じることが出来なかった)


飛鳥(――神崎蘭子の衣装は首筋にヒビが生じ、赫い翼が噴出していた)

飛鳥(――ボクから見えた左目は、ただの赤い瞳だったから、あれは"喰種"とはまた別の存在なのかと思った)

飛鳥(――だが蘭子がボクに振り向いた時、それは違うと直ぐに分かった)


飛鳥(――黒い眼球)

飛鳥(――赤ではなく、赫い瞳孔)

飛鳥(――無機質な恐怖がにじみ出るような右目と)

飛鳥(――ヒトとして光を反射する優しい左目の両方で)

飛鳥(――蘭子はボクを、ボク達を見つめていた)



蘭子「……飛鳥ちゃん」

蘭子「今まで隠してて、ごめんね」


蘭子「飛鳥ちゃんは、皆の事は殺させないから」


飛鳥(――微かに震える声で、彼女はそう言った)


飛鳥(――そして壁に空けた穴に手をかけ、乗り越えようとする姿は)



飛鳥(――このまま蘭子が、どこか別の場所に消えていくように見えた)


飛鳥(――ボクはただ、蘭子の言葉に返事も出来ず)


飛鳥(――黙って見つめることしかできなかった)



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