【デレマス時代劇】一ノ瀬志希「しあわせの白い粉」
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2:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 08:02:06.68 ID:GVuX5Nn80
片桐早苗は、城下で阿芙蓉が出回っていると耳にした時、激怒した。
今年で28。与力の筆頭格である。
早苗の母も与力であり、藩内で起こった事件を鮮やかな手腕で解決し、
彼女が亡くなった後も慕うものは多い。
そんな母親の背を見て育った早苗は、まさに、正義感が服を着て
歩いているようなものだった。
早苗は数多くの悪行の中でも、阿芙蓉絡みの事件を忌み嫌っている。
かつて、中毒になった子ども達を目にしたことがある。
年端もいかない、遊びたい盛りの子ども達が、食事も睡眠もとらずに、
うつろな目で四六時中、声にならない声で呻く。
売人が効力を試すために、練り菓子と称して親達にばら撒いていたという。
だが、売買に対する罰はそれが生み出す災禍にくらべ、恐ろしいほどに軽い。
1年ほど牢に入れられるか、金子を積めば捕まることすらない。
それでは、被害に遭った者達があまりにも哀れではないか。
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