【デレマス時代劇】一ノ瀬志希「しあわせの白い粉」
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13:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 08:12:29.61 ID:GVuX5Nn80
「あら、早苗じゃない」
声の主は馬廻役の川島瑞樹。
歳は早苗と同じく28。
だが童顔の早苗とちがって、彼女は年齢相応の成熟した優美さを身にまとっている。
川島家と片桐家の屋敷は近く、2人は幼馴染のような関係である。
瑞樹は少年の顎を、子猫にするがごとく撫でた。
「やめてよ。
私のお酌をさせてるんだから」
「あら?
この子はまんざらじゃないみたいだけど…」
少年は頰を紅潮させて、うっとりと瑞樹を見つめていた。
その様子が気にくわず、早苗は彼を睨んで、下がらせた。
「まーた独りで来たの?」
少年の足音が遠ざかった後、瑞樹はため息をつきながら言った。
「瑞樹だって独りじゃない」
「私は今、籠に楓を叩き込んだから飲み直すところよ」
早苗は、もう1人の馴染みの顔を思い浮かべた。
高垣楓。瑞樹と同じく馬廻役で、給金が入ると、
それを一晩でほぼ使い切るほどの痛飲をする。
はたから見ても、あまり気持ちの良い飲み方ではない。
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