13:名無しNIPPER[sage]
2017/08/18(金) 04:04:12.52 ID:bimQsMj20
唐突に、彼女にだけはこの村をでる事情を知らせておきたくなった。
それは、自分の評価を下げたくないのもあるけれどなにより彼女が孤独になってしまう、そんな予感がしたのだ。
しかし、村長様との約束を違えるわけにはいかない。だから、せめてもの良心が、こう言わせた。
俺「なぁ、もし俺が都会に出かけるようなことがあっても、すぐに戻ってくるよ。
お前が驚く様なお土産だって、持ってくるさ」
女は一瞬きょとんとしたが、それからケタケタ不気味に笑い出した。
女「なにそれ、馬鹿みたい」
俺「馬鹿じゃない、本気だ」
女「本気で言ってるなら、俺さんを軽蔑する」
俺「なんでだよ」
女「私の兄もそんなこと言って出ていった。これで五年と三か月、帰ってないよ」
店前に飾られている、千羽鶴は空しく揺れている。
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