25: ◆U.8lOt6xMsuG
2017/08/16(水) 22:55:58.92 ID:yYiAeiej0
【六日目】
昨日の案は悪くなかったと思う。限度というものを一切考慮に入れていなかっただけだ。昨日の俺は、自分の悪臭で死ぬカメムシと同じだったのだろう。
なので今日は作戦その六、『体臭・改』を決行することにした。
出勤前にジョギングをし、軽く汗を出してから事務所へ。あのサイトによると、汗臭い匂いは女性が嫌う原因の一つらしい。このにおいで、アイドル達に嫌われてやる。
しかし、汗臭いはずの俺にアイドル達は、いつも以上にどんどん近づいてくる。凛を始め様々なアイドルが俺の体臭を嗅ぎに来る。志希なんかは露骨に首元を嗅ぎに来た。
「あのサイト…まさか俺を騙してるのか?」
そう考えた俺は事務所においてある予備のスーツ一式に着替える。すると、アイドル達は匂いを嗅ぎには来なくなった。これでようやく普通の状態に戻ることが出来たのだ。
しかし、帰宅する前にロッカーにしまっておいた脱いだ汗臭スーツがどこかへ行ってしまったことに気がついた。
ロッカーの鍵は変な風に外されていたし、道中は女性の長い髪の毛が落ちていた。
考えたくはないが、誰かが俺のスーツを盗んだのだろう。
しかし、犯人を絞るにも容疑者が50人近く居るし、共犯の可能性も滅茶苦茶高いし、何よりなんか怖いので神隠しと言うことにしよう。
二日間で、新たに2着のスーツを買うハメになった。今日は涙が零れないように上を向いて歩いて帰った。
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