女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
1- 20
40:名無しNIPPER
2017/08/16(水) 20:43:42.67 ID:zemz0oy80
 この答えには穴がいくつもあった。実際に、それができない時はどうするかは想定されていない。
 だがひとまずこれは正しい答えだとは思っていた。これに当てはまらないものは、またべつの時に考える。問題を細かく砕いて、最初の土台を作る。これは、物語でいえば序章のようなものだ。

「なるほどねー」
「こっからもいろいろ考えたよ。これが現実的に当てはまらない時も多いしさ」

 そうやって、少しづづ砕いていって。少しずつ、答えを出していった。

「じゃあ嘘は絶対にばれなかったらいいの?」
「大丈夫だと思う。でもそれは嘘をつく人が嘘をつくことに納得している時だけだし、絶対にばれない状況なんてほぼないけどね。失敗したら全部本人に降りかかるわけだし」
「なるほどね。じゃあさ」
「……?」
「結果が全て、ってキミは言ったけど、努力して失敗した人は、頑張ったのに咎められるの?」
「本当は咎められないほうがいいんだ。でも現実は許してくれない。そういうものだよ」

 話は理想と現実に移る。

「そんなの、おかしい……いやわかるよ。私は、納得はいかないけど理解はできる。だけど」
「……僕もそう思うよ。もっといろんな人が幸せになりやすい、そういう世界だったらいいのにって、何回も思った」
 でも、現実はそうじゃない。努力は結果が出なければ認められないし、努力を見てくれる奴なんていない。
「もっと優しい世界だったらよかったのに」
「誰かが不幸になるような世界じゃなければいいのに」

 僕らは同じようなことを言う。
 現実はあまりにも残酷すぎる。でも、僕らが立っているのは現実だった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
187Res/253.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice