女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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179:名無しNIPPER[saga]
2017/09/15(金) 00:57:56.02 ID:jX7ap57O0

 でも、誰かが誰かに優しくした、気遣った。その事実もまた、現実だということでもある。
 それに少し救われた気分になる。人間という生物は誰かを傷つけ、誰かを救う。
 僕の人生もそうだった。嬉しいことも楽しいことも、悲しいことも辛いことも、隣りあわせだ。
 でも、納得している。現実をかろうじてだが、受け止められている。

 僕は彼女を見つめる。それを受けて「どうしたの?」と言われる。困ったような、幸せそうな、僕が望んでいた光景。それを見て余韻に浸る。満たされたような感覚。

「なんでもないよ」と僕は笑った。

 人の苦悩は続いていく。それを忘れることはできないかもしれない。
 彼女が僕を見つめ返す。
 今はもう、なにもかも、受け止められる気がした。
 とにかく、今日も人間は、生きている。
 だから、賢者は、僕は、こう願う。
 世界がもっと優しさに包まれますように、と。



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