63: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/03(日) 07:11:59.17 ID:TCQYYDI0o
千歌「そういえばさ」
ダイヤ「なんですか?」
千歌「あれ……結局どうなったの?」
千歌さんが両の手の親指を人差し指を使って、長方形のような形をなぞる。
ダイヤ「……ああ、あれ」
あの日届いた、わたくしの名前だけではなくなった便箋。
ルビィへのお見合いの申し込み。
ダイヤ「一先ず、高校を卒業するまでは断るみたいですわ。」
千歌「そっか。……ちなみにそれって、ダイヤさんにもまだ来るの?」
ダイヤ「まあ、一応……中身を開けてもいないのですが……。」
それこそ、見る意味もないし。
千歌「そっか」
ダイヤ「ええ」
千歌「ルビィちゃん、まだ心配?」
ダイヤ「……心配じゃなくなることなんて、一生ありませんよ。姉は死ぬまで妹を心配する生き物ですから。」
千歌「大変だね、お姉ちゃんって……。妹でよかったよ。」
ダイヤ「別に妹が姉を心配してもいいんですのよ?」
千歌「別に姉に対して、心配なことが何もないわけじゃないけど……」
ダイヤ「じゃあ、それと同じよ」
千歌「そっか」
ダイヤ「ただ……」
千歌「?」
ダイヤ「今は断わりこそするみたいですが、ルビィ本人としては実は、少し楽しみらしいのよ」
千歌「え?お見合いが?」
ダイヤ「『ルビィはまだ恋をしたことがないから、わからないけど。もしかしたら、そういう相手との出会いの機会なのかもしれないから』だそうで」
千歌「まあ、そういう相手ってどこで出会うかわかんないもんだからね」
ダイヤ「確かにそうかもしれないわね……。……でも、それにしたって妹は、姉が思ったよりは遥かに逞しい生き物なのねって、思ってしまったわ。」
千歌「取り越し苦労だったんなら、よかったじゃん」
ダイヤ「これからも一生取り越し苦労をし続けると思うと……」
千歌「お姉ちゃんは大変だね」
ダイヤ「妹も十分大変だと思いますわよ」
千歌「あははっ」
ダイヤ「ふふふっ」
なんだかそのやりとりがおかしくって、二人笑い合う。
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