22: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/14(月) 13:49:16.18 ID:3eNuSAZNo
* * *
予兆はあった。
ダイヤ『はい、黒澤です。……え? 明日のお稽古はお休み? ……はい。はい。……わかりました。』
最近、自分のお稽古事が頻繁に休みになるようになった。
理由は──なんとなくわかる。
ダイヤ『……。』
考え事をしながら、ぼんやりと開きっぱなしになった、自分のガラパゴス携帯を見つめていると。
手元のソレから簡素な着信音が流れる。
画面には【高海千歌】と表示されていた。
ダイヤ『もしもし』
千歌『あ、ダイヤさん? すごい、すぐ出てくれた!』
ダイヤ『たまたま今、携帯を開いていたところだったので』
千歌『ホントに? えへへ、私たちなんか繋がってるみたいだねっ』
ダイヤ『もう……それで、どうかしたの?』
千歌『あ、うんっ 声……聞きたくなって。』
ダイヤ『千歌さん……』
千歌『ん……?』
ダイヤ『?』
千歌『ダイヤさん、何かあった?』
ダイヤ『……え?』
一言二言しか交わしていないのに、千歌さんはそう言う。
ダイヤ『……わたくし、何か変なこと言ってましたか?』
千歌『うぅん、何か言ってたとかじゃなくて、なんとなくなんだけど……』
噫そうかと思う。
わたくしは本当にこの人と繋がっているのかもしれない。
ダイヤ『……。あの……わたくし──』
* * *
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