9: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:55:52.28 ID:F1z6JHSwo
……いつ手に入れたのでしょうか、私の手の中には綺麗な貝殻がありました。
自分で見つけたような気もしますし、現地の子に貰ったような、そんな気もします。
10: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:56:22.15 ID:F1z6JHSwo
宿のロビーに置いてあった図鑑をめくって、その貝殻を探しました。
ミミガイというものの一種で、日本ではその海の近くでしか見られないもののようでした。
11: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:56:49.50 ID:F1z6JHSwo
その夜の夢の中で、私は本を読んでいました。
12: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:57:31.57 ID:F1z6JHSwo
次の日も海で遊び。
夜にはまた、本を読む夢を見て。
13: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:58:00.56 ID:F1z6JHSwo
お土産を抱える父と母。
宝物を手に入れた私。
14: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:58:28.83 ID:F1z6JHSwo
その夜も夢を見た、と日記に書いてあります。
楽しいものも怖いものも、夢の世界を忘れることが惜しくて、
15: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:59:03.33 ID:F1z6JHSwo
海から帰って来た後も、あの女の子は私の前に……いえ、隣に、でしょうか、時々現れるのでした。
彼女がどうして、いつ私の隣に現れるのかはわからずじまいで。
16: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 02:59:48.61 ID:F1z6JHSwo
読み聞かせ以外にも、彼女には色々な話をしました。
本に出てきた動物の話であるとか、他所で見聞きした事だとか。
17: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:00:17.19 ID:F1z6JHSwo
彼女に語りかけた物語は、すうっと私の中に溶け込んで行くようで。
声に出すことで、誰かに聞いてもらうことでもう一度頭の中に入り、定着していったのかも知れません。
18: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:01:37.16 ID:F1z6JHSwo
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そうして、幸せな日がやってきました。
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