43: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:22:21.91 ID:F1z6JHSwo
彼女とは色々な話をしました。
これまでの『しおり』とは違って、彼女は私の話をただただ聴いてくれるだけではなくて、
色々な事を答えてくれたのでした。
44: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:22:50.90 ID:F1z6JHSwo
……きっと、これだ。
たくさん書き集めた漢字の中から二文字を拾い上げ、彼女を『詩織』と呼ぼうと決めました。
45: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:23:18.83 ID:F1z6JHSwo
その名前はとてもよく響いて、彼女を地に足のついたたった一人の友達として、完成させてくれたようにすら思えました。
不思議なことでした。そして、とても嬉しいことでした。
46: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:23:48.95 ID:F1z6JHSwo
二人でいる時間はとても楽しくて、少し頭がぼうっとして……
本当に素敵な時間でした。
四六時中、彼女と一緒にいました。
47: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:24:21.70 ID:F1z6JHSwo
―――
48: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:24:48.94 ID:F1z6JHSwo
―――
その冬、私は大熱を出しました。
49: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:25:30.14 ID:F1z6JHSwo
どこか遠く、向こう側から、詩織が私に手を伸ばしていました。
ああ、行かなくちゃ。
どうにかそこへ向かおうと。
50: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:25:58.30 ID:F1z6JHSwo
手を、
……
51: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:26:33.32 ID:F1z6JHSwo
触れた手には、身体には、温度が感じられなくて。
違う、と気づいてしまったのです。
52: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:27:00.07 ID:F1z6JHSwo
ぱきり、
とどこかで音がして、それっきり何もかもが崩れていきました。
53: ◆pdkDwyOMVs[sage saga]
2017/08/10(木) 03:27:27.49 ID:F1z6JHSwo
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