ある門番たちの日常のようです
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68: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/15(火) 23:47:00.10 ID:pLchbqPz0
《───どうも〜〜ロマさん!ウチの司令官が大変失礼しました〜!》

“昔馴染み”が突然奇天烈な断末魔をあげ、一瞬向こう側で静寂が訪れる。瞬き二回ほどの間を置いて応答したのは、少し幼い響きが残るもののはきはきとして耳障りの良い少女の声だった。

( ФωФ)「青葉か」

《はい、青葉ですよ!あ、司令官には後でよく叢雲さんと共に言い聞かせておきますのでここはご容赦下さい!》

( ФωФ)「うむ……時に、奴は今どのような状態だ?」

《股ぐら抑えて蹲ってます!!》

(;ФωФ)「お、おう」

基本的にこの鎮守府の艦娘達は提督である奴に対して容赦が全くない。間違いなく慕われてもいるのだが、時折奴の身分が海軍提督だということを忘れるぐらい扱いが雑だ。

( ФωФ)「あー……可能ならもう一度奴に無線を戻してくれ。間もなく作戦空域だ、齟齬があっても困る」

《了解しました!

…………ところで青葉としては、さっきロマさんも司令官のノリに併せて大騒ぎしてたのはいただけないと思いますよ〜〜?》

(;ФωФ)「………」

耳朶に染みる声色から、夏の向日葵を思わせるあの笑顔とその笑顔の奥に輝く凍てつく氷の如き目付きが容易に想起される。空調がよく効いているはずの機内なのに、我が輩の背筋は裸でロシアの大地に放り込まれたかのような凍えぶりだ。

《次同じことが起きたら司令官と一緒に叢雲さんのお説教受けて下さいね……?》

(;ФωФ)「二度としません勘弁して下さい」

かつて一度だけ、様々な偶然の果てに我が輩はあの叢雲の「説教」の対象になったことがある。

あそこから生きて帰れたことは、我が輩の人生でも五指に入る奇跡だ。


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