ある門番たちの日常のようです
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442: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/22(日) 00:06:30.07 ID:oKNZ8oGNO






彡(-)(-)「───『我々の正直さが他国にとって実は恐るべきものだ、などと我々自ら大まじめに信じていたのは、我々には何も見えていなかったということであった』」

目の前に座る男───日本国首相、南慈英の静かな声が部屋に響く。噛みしめるように瞑目しながら諳んじられるその台詞は、ある程度知識(間違っても「教養」ではない)がある自称平和主義者が耳にすれば即座に口角泡を飛ばし噛みつくことだろう。

彡(゚)(゚)「『これによって大国の信用と、とりわけ小国の好意を容易に得られると思っていたのだ』

ホンマ、ええこと言っとるわ」

( ФωФ)「アドルフ=ヒトラーの言葉でありますな」

彡(゚)(゚)「せや」

我が輩の言葉に、首相は頷く。彼はつい1分前まで国内外の様々なニュースを矢継ぎ早に映していたテレビにちらりと視線を向けた後、ふぅと息を吐きながらリモコンを右手から机の上に投げ捨てた。

彡(゚)(゚)「何度読んでも、感心すると同時に笑ってまうわ。“これはどこの島国に向けられた言葉やろなぁ”って。

国際社会においては、善良も正直も美徳と違う。ただひたすらに忌むべきものであり、最大の害悪や。それを、“戦前”の日本は解っていなかった」

( ФωФ)「仰るとおりです」

彡(゚)(゚)「今のニュース見たやろ。全ての国が“自分たち”の事だけを考えて最も大きな利益を得ようと互いに横目で睨みあっとる。

そして、それこそが【外交】の最も正常な姿なんや」

ここで首相の言う「戦前」とは、無論第二次大戦のことではなく(いや、あながち其方も間違いではないのだが)深海棲艦との戦争を指す。日本の外交が「お嬢さんをあやすようなもの」と揶揄されていた時分であり、今でも十二分にお花畑な国民の脳が「平和」というドラッグによって完全に機能を失っていた頃でもあった。

日本にとって最大の幸運は、奴等との戦争が始まる直前に「ちょっとした刺激」を求めて──断言するが彼奴らの大半はまともな政治思想を持って政治家を選んでいない──国民が南慈英を首相に押し上げた点だ。これで共栄党や民心党が引き続き政権を握っていたらと思うと、背筋が凍る。


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