271: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/16(土) 09:07:27.46 ID:7vrOjZjGO
市街地の各所からは艦娘と深海棲艦双方が撃ち鳴らす艦砲射撃の轟音に混じり、時折それより遙かに軽い戦車の砲声が聞こえてくるようになった。しかもそれは時を追うごとに数を増やし、鳴り響く間隔は短くなっていく。
それらの音源がおそらくは、空挺戦車2S25 スプルートSD。小規模の艦娘戦力しか持たないロシア連邦軍が沿岸部機動防御の切り札として開発した最新鋭兵器である。配備開始は今年の春からで生産台数は決して多くないはずだが、砲火の量からして投入された数はおそらく50は下るまい。
空母艦娘が未だに配備されない中での敵航空隊迎撃に、精鋭部隊と新兵器の惜しげも無い投入。ムルマンスク死守に掛けるロシアの本気度が伺えた。
('、`;川《ロシア政府より大本営に入電。連邦三軍は現状で投入可能な全ての戦力を使い果たした、もうこれ以上の戦力は動かせないという内容です》
(メメФωФ)「現状ロシアは内政不安と広大な沿岸防衛の問題を抱えている、これだけ支援を捻出してくれただけでも十分である」
かつてナチス・ドイツやアメリカ合衆国と世界の覇権を争った大国は、その責務を充分に果たしている。ただし故に、彼らは「見合った結果」が得られなければ我が輩たちへの不信感を募らせることだろう。
“海軍”側としても資金面や人員面でロシア連邦と軋轢を生むことは避けたい。それに事実上日米が実権を握っている現状から“海軍”に批判的な中国がロシアの不満につけ込んで手を組む可能性があり、そうなれば先日締結されたばかりの三国協定崩壊や最悪“海軍”の弱体化にも繋がる。
国家間において、愛から来る無償の奉仕や友情が為す永久の協力は幻想である。全くの皆無とはいわないが、国と国が手を取り合うには基本的にgive-and-takeが無ければ成り立たない。
ヨーロッパにおける“愚かな失態”を繰り返さないようにするためにも、我が輩たちは“海軍”の国際的な価値を今一度示す必要がある。
(メメФωФ)「【Fighter】、瑞鶴に準備させろ」
( T)「【Muscle】」
(メメФωФ)「しつこすぎるのである死ね」
( T)「てめーが死ね」
ロシアからの「Give」に対して、どれほどの「Take」を示せるのか。
コレは、元よりそういう性質の戦いだ。
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