207: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/04(月) 02:40:05.75 ID:XTOLkAvV0
( ̄⊥ ̄)「それで、事の発端だが────」
(,,゚Д゚)「……いや、そこまではもう流石に割ける時間が無い」
平坦な声でファルロはなおも報告を続けようとしたが、それについては此方で切り上げる。
ファルロ自身が明らかに限界というのもあるが、実際に時間がないというのもある。
倉庫の中に飛び込んでからおよそ20分程だろうか、そろそろ鎮守府本舎にいた“敵”も動きを見せる可能性が高い。
(,,゚Д゚)「続きは事態が収拾してから改めて聞く。護衛はしっかりしてやるから生きといてくれよ」
(; ̄⊥ ̄)「………“生きといてくれよ”とはまた凄い字面の注文だな、それこそ一生に一度でも面と向かって願われた奴は少ないんじゃないか?」
ファルロの表情が“無”から“呆れ”に変わる。………まぁ茫然自失から立ち直れたようで何よりだが突っ込むんじゃねえよ俺もちょっとすげえ言い草だなって自覚あるんだから。
(,,゚Д゚)「村田は表側、木戸は裏側の入り口を偵察。外に何かいる気配があったら直ぐに報告しろ」
「「了解!」」
(,,゚Д゚)「……にしても、大本営の方からヴェールヌイは出撃済みだって聞いてたんだがよく鎮守府にいたな」
( ̄⊥ ̄)「当たり前だろう。最重要防衛拠点に艦娘が一隻こっきりなんて事態あってたまるか」
既にヴェールヌイを含めファルロの部隊も全員が拘束を解かれており、Ostrichの指示に従って戦力の合流・分配を行っているところだ。俺も部下二人に指示を出しながら改めてファルロに話を振ると、奴さんは口元に苦笑いを浮かべている。
( ̄⊥ ̄)「我がロシア連邦はお宅やイタリアほど艦娘事情が潤沢ではないのでね。“同一艦隊”での出撃は流石に可能な限り避けるが、Верныйの複数配備なんて我々の基地や鎮守府ではしょっちゅう見る光景だ」
「!」
そう言いながら、ファルロはいつの間にかそばに寄ってきた旧大日本帝国海軍駆逐艦の頭にポンッとデカい掌を乗せる。
( ̄⊥ ̄)「この子がいなければ私は今頃生きていなかったろうな。心の底から感謝するよ」
「…………んん」
ファルロの手が頭をゆっくりと撫でると、途端にヴェールヌイの表情が同じことを飼い主からされている犬や猫のようにトロンとしたものに変わる。俺が話しに聞く限り改装前の【響】の頃から一貫して感情を表に出さない艦娘の筈なのだが、このヴェールヌイにはそんな面影微塵も見られない。
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