119: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/21(月) 12:35:31.86 ID:aNZmD83PO
銃声が響き、何メートルも離れた場所で雪交じりの土煙が上がる。火花が見えた路地脇の木の上に連射を浴びせると、ドラグノフ狙撃銃を抱えた人影が紅い軌道を残して地面に落下してきた。
(,,゚Д゚)「っふ」
駆け寄ってみると即死して居らず、一瞬腕が動いたのでナイフで胸をついておく。
「へたくそ……痛っ!?」
(,,゚Д゚)「喧しい、サブマシンガンで精密射撃なんかできるかっつの」
無意味に煽ってきた白露型2番艦の頭をひっぱたきながら、屍体を改めてじっくりと観察する。
この街に来てから初めて目にした、「軍服」を着た人間(だったもの)だ。白を基調にした厚手の迷彩服を着たそいつの、口元を覆っていたスカーフのような布を無造作に引きはがす。
(,,゚Д゚)「………チッ」
浅黒い肌に、掘りが深い目元や口元、クシャクシャの黒い髪。胸元に見えるのはアラビア文字を刻印したと思わしき入れ墨だ。
あまり外国人の年齢や顔立ちの区分に詳しいわけではないが、少なくともこの年若い男のルックスや出で立ちが平均的なロシア人のものであるとは到底思えない。
続けて右手の軍用グローブを脱がすと、手の甲にも胸元の入れ墨とよく似た造形の文字が刻まれていた。
( ゚∋゚)「………確定か」
(,,゚Д゚)「クソッタレ」
悪態を漏らしながら、俺は無線を繋ぐ。
“海軍”として必須の英語はともかく、アラビア語なんてちんぷんかんぷんだ。この言語を用いた文章が右から左に書かれているということさえ、つい最近知った。
だが、屍体の手の甲に刻まれたこの単語の意味だけは解る。ニュースで、新聞で、海軍の資料で、そして戦場で。幾度となく、それこそ脳裏に刻み込まれるほど繰り返し目にしてきたのだから。
(,,゚Д゚)「Wild-CatよりCaesar、敵兵の射殺体に“アッラーフ”の刻印を確認した。
この武装蜂起、イスラムが関係してやがる」
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