キョン「最近、生え際が気になる」
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32: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/08/06(日) 21:42:37.78 ID:vfIO/Fr60
【登校中 タクシー内】

キョン「古泉」

古泉「はい?」

キョン「登校にタクシーを使うとはえらく豪勢じゃないか」

古泉「高校生には似合わないと言いたいんですか? いいじゃないですか。結果、遅刻を免れたわけですし。自転車、パンクしてらっしゃったんでしょ?」

キョン「うっ」

古泉「待っていた僕を無視して自転車にまたがった状況はどうしたものかと一考させられましたが、パンクしていたのを思い出した表情を拝ませていただいたのでよしとします」

キョン「悪かったよ」

古泉「いえいえ。それと、代金についてはご心配なく。勝手に僕が待っていただけですから」

キョン「そのかわり、俺に話を聞けって言うんだろ」

古泉「察しがよくて助かります。恩を着せるマネはしたくなかったのですが」

キョン「わーったよ。わかった。さすがに料金まで肩代わりしてもらってなんもなしじゃな」

古泉「あなたは変わった人ですね」

キョン「あん?」

古泉「悪い意味ではありません。恩を受けたと感じれば借りを返すと考えるのが普通です。こういうのを返報性の原理といって、ビジネスにも――」

キョン「古泉。言いたかったのはハルヒの話じゃないのか?」

古泉「たしかに。失礼しました」

キョン「ど〜でもいい話に脱線するのはお前の悪い癖だぜ。いつも回りくどいから伝えたいことがぼやけちまう」

古泉「ふっ、弁解の余地すらありません。しかし、僕が伝えたいことをあなたから切り出してくれたのは僥倖(ぎょうこう)でした」

キョン「はぁ」

古泉「気がつきませんか。あなたはなぜ僕の癖を掴んでいるのでしょうか? なぜ“いつも”と自然に口にだしたのでしょう?」

キョン「なんでって……」

古泉「僕たちはいつから、いえ、どうやってお互いの性格を知り得たんでしょうか」

キョン「……」

古泉「学校生活? いや、それすら覚えていない。こうは推察できないでしょうか。この矛盾点を埋めるとすれば――“記憶がすっぽりと抜け落ちている”、と」


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