【境界のRINNE】『腐った幽霊』-SS速報VIP

【境界のRINNE】『腐った幽霊』

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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:50:27.20 ID:m1qpACcC0
〇公園（夕方）

　【それは　ある日の放課後――】

　【ミホちゃんリカちゃんと　学校の近くの公園に　寄り道していた時のことでした。】

　女「ハァ～……」

　【その女の霊は　ベンチにひとり佇んで　やたらとため息をついていました。】

　リカ「今日は誰もいないから静かだね。」

　女「ハァ……」

　ミホ「この公園、いつもは運動部の人たちが騒がしいもんね。」

　女「ハァ……」

　桜（うるさい。）

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:51:17.05 ID:m1qpACcC0
〇三界高校・教室（朝）

　桜「おはよう六道くん。」

　りんね「真宮桜。」

3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:52:13.29 ID:m1qpACcC0
〇公園（夕方）

　りんね「……なるほど。この女が問題の霊か、真宮桜。」

　桜「うん。」

4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:53:12.25 ID:m1qpACcC0
　女「……あの日、私はこのベンチに座っていました……」

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5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:53:56.86 ID:m1qpACcC0
　女「この公園はすぐ近くに高校があるから、運動部の男子たちがちょくちょく走りに来ます。」

　女「だから私は、よくこのベンチに座って彼らを眺めていました。」

　桜「ふうん。」

6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:54:46.93 ID:m1qpACcC0
　女「実は私、BLが好きなんです。」

　りんね「……ん？」

　桜「あ、あの……今なんて言いました？」

7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:56:05.62 ID:m1qpACcC0
　女「男子たちが集団で走っているのを見ると興奮するんです。」

　桜「興奮……？」

　十文字「それは、もしかすると……。」

8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:56:53.30 ID:m1qpACcC0
　女「来る日も来る日も、私は男子たちをベンチに座って観察した。」

　女「汗だくになりながら仲間と濃密な時間を共有する男子たち！　いつしか彼らの間に友情以上のものが芽生える！」

　女「ここに座って観察し続けていれば、そんな決定的なシーンがいつかは見られると思ったの。」

9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:57:40.07 ID:m1qpACcC0
　女「わあっ。」ﾊﾟｧｯ

　六文「あ、いきなり笑顔になった。」

　りんね「何だ！？　いったい何が起こったと言うんだ！？（後ろを振り向く）」

10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:58:18.32 ID:m1qpACcC0
　女「ああ！　あの先頭から四番目と五番目の男子！　そそるわ！」

　女「間違いないわ。あの子は受けの顔つきね。ふふふ……。」

　十文字「……」

11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 17:59:09.98 ID:m1qpACcC0
　りんね「……それで？　結局、何が未練なんです？」

　女「一度でいいから、この目でホモセックスを見てみたい！」

　りんね「……」

12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:00:31.33 ID:m1qpACcC0
　六文「あ～っ！？　五百円玉！？」

　女「あっ、このあいだ男子ウォッチングしていたときに拾ったお金が……。」

　りんね「ひ、拾った！？　五百円玉もの大金をか！？」

13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:01:18.62 ID:m1qpACcC0
.:.:..:.:..:.:..:.:..:.:/!.:.:..:.:/: : : : ',:',: : :ヽ.:.:..:.:..:.:..:.:.',: : : : :ヽ.:.:.',　ｘ乃竓芋ミミﾐ　　　　　.＼.:.:..:.:..:.:.: : : : :',: :
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:02:52.32 ID:m1qpACcC0
　りんね「うーむ……。」

　十文字「どうした六道？　何を黙り込んでいるんだ？」

　十文字「ええい、きさまがやらんのならおれがやる！　くらえ！　聖灰……」

15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:03:45.10 ID:m1qpACcC0
　十文字「じょ、冗談ではない！　なぜ、おれがきさまなどと……」

　りんね「他に相手がいないんだから仕方あるまい。」

　六文「でも、本気なんですかりんね様？」

16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:05:04.46 ID:m1qpACcC0
　りんね「十文字、六文。いいか、よく聞け。」ぼそぼそ

　りんね「この黄泉の羽織を着れば、おれは十文字の身体をすり抜けることが可能だ。つまり……。」

　十文字「ああ、なるほど……。」

17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:06:22.71 ID:m1qpACcC0
〇廃屋となった高校クラブ棟・りんねの家（夕方）

　りんね「どうだ十文字！？」腰ﾌﾘﾌﾘ

　十文字「ああーっ！　いいーっ！　いいぞぉ六道ーっ！（演技）」

18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:08:09.80 ID:m1qpACcC0
　　　※　※　※

　桜「六道くん、いるかな？」

　桜「六道くーん、うちのママ（39）がしょうが焼きを作りすぎちゃったから、お裾分けに……」がちゃっ

19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:09:02.98 ID:m1qpACcC0
　十文字「あっはー！　いくいくいっくー！」

　桜「……」

　れんげ「……」

20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:10:58.49 ID:m1qpACcC0
　女「隠れて愛を育んでいた二人の関係は、こうして広く人の知るところに……。」

　女「なんてすばらしい展開なの！　ああ、もう思い残すことはないわ……！」

　女「いいものを見せてもらいました、ありがとう……。」ｽｯ……

21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/04(金) 18:12:28.53 ID:m1qpACcC0
〇路地（夕方）

　桜（はあ……。）

　桜（六道くんと翼くん……うっかりあの霊に汚染されちゃったんだ。）

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