55: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:52:05.10 ID:1oure80i0
「大丈夫…大丈夫…」
「なーお?手、出して?」
アタシが奈緒に手を差し出すと奈緒は素直に手を添えてくる
56: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:52:34.00 ID:1oure80i0
「これで良し…っと」
「加蓮…」
「あんなに練習したんだから大丈夫に決まってるでしょ?」
57: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:53:00.62 ID:1oure80i0
「北条さーん、次Frozen Tearsでーす」
アタシのソロ曲の順番を告げに来るスタッフさん
「はーい、今行きまーす!」
58: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:53:28.45 ID:1oure80i0
「煌めきに包まれ…今、いつかの涙の粒が希望の星に変わてゆく♪」
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ』
アタシがゆっくり歌い上げると会場内は拍手と歓声に包まれる
59: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:54:19.51 ID:1oure80i0
そこにステージ袖から奈緒が走ってくる
ここからはアタシたち二人のステージだ
60: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:54:54.17 ID:1oure80i0
そのときアタシと奈緒の目線が合った
「やったぞ!!加蓮!!!」
そう言いたげな目線に
61: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:55:23.62 ID:1oure80i0
この曲は独りよがりだったアタシたちをつなげてくれた
ねぇ奈緒、このライブでアタシたち強くなれたかな?
アタシたちらしく歩き始められたかな?
62: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:55:49.99 ID:1oure80i0
奈緒の吐息が聞こえる
「加蓮…ありがとなっ」
ぼそっと奈緒がそう呟く
アタシが呆然としている間に会場は一斉に揺れるような大歓声に包まれる
63: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:56:20.36 ID:1oure80i0
後ろを振り返ると
奈緒がステージからどこまでも続く光の海に向かって叫んでいるようにも見えた
64: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:56:53.33 ID:1oure80i0
時間は進み、その日の夜
アタシたちの出番は後半の方だったから
あの後はすぐにアンコールに入って公演は終了となった
「福岡公演!1日目お疲れさまでしたぁ!」
65: ◆9YfKA67h5g[saga]
2017/08/02(水) 19:57:19.81 ID:1oure80i0
「加蓮!!たすけてくれよぉ」
奈緒の情けない声が聞こえてくる
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