35:名無しNIPPER[saga]
2017/09/03(日) 12:18:32.89 ID:uPmb6hplO
そうやって、お母さんは色々な勘違いをして、真実を知って、何度か泣いて、でも、懲りずに繰り返す。
真実は、いつも残酷だものばかりだ。
スッピンになっても可愛いらしい母も席に着き、私たちは食卓を囲む。
「いただきまーす」
その頃には目の上の痛みも無くなっていた。
なんとなく気になって触っていたら、
「大丈夫ですか?」
とみすずが聞いてきた。
「うん」
2人で寝てるせい、とも言えず、私は乾いた笑いでごまかした。
「あ、そうそう、かほ。みすずにちょっと勉強教えてあげてよ」
「お母さん、私が勉強嫌いなの知ってるでしょ」
「知ってるけど、お母さんはもっと教えれないし」
「勉強って言っても、色々あるじゃん」
「あ、あの私、英語が苦手で」
そんなの私だって母国語ですら苦手なのに。
英語なんてもっと無理なんですが。
「無理、一人でやった方がいいって」
「そう言わないでよ、かほ〜」
お得意の猫なで声の母に飽きれながら、
「そこまで面倒見れないし」
と自分でも切れのある言葉を放った。
しまった、傷つけたかな、と横目でみすずを見やる。
にこにこと笑っていた。
良かった。
「そうだ、参考書みたいなの買って来る。そっちの方がいいって」
と私は提案した。
母は小言を言っていたけど、みすずは頷いていた。
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