【ミリマスSS】クレシェンドブルーの百分の五物語
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4: ◆TDuorh6/aM[saga]
2017/08/01(火) 19:18:40.47 ID:07Ux64x9O
彼女は、少し変わった人でした。
人ならざるモノの声が聞こえたり、ソレを生き物だと言ったり。
とてもつまらないギャグを言って、一人で笑っていたり。
そんな女の子と、私は非常に不本意ながら知り合いになったんです。
とは言え、普段から変な言動が目立つ訳ではありませんでした。
普通に学校に通って、普通に友達と会話して。
人間として必要最低限のコミュニケーションはとれる、と。
だから私も、騙されていました。
本当の彼女は、そんなに甘いモノではなかった。
それに気付くのが遅過ぎた事を、私はとても後悔しています。
もっと早くに気付いていれば。
皆んなが、幸せでいられたかもしれないのに。
ある日その女の子が絵を描いていました。
それも、赤い色鉛筆で。
何を描いてるんだ?と。
周りの人がそう尋ねると……
『アルパカです。分かりませんか?』
ーーと。
そう、答えたんです。
私は驚愕しました。
どう見ても、動物園に存在する生き物とは思えない形相の絵だったのですから。
首は長すぎ、足は短すぎ、頭は不気味に、目は狂気に満ちていて、口はまるで怪物の様なソレを。
彼女は、アルパカだと言ったのです。
問い掛けた人も、困った顔をしていました。
もしかしたら、聞き間違いかもしれない、と。
そんな期待を込めて、もう一度問い直すも。
彼女は壊れたロボットの様に、これはアルパカですと繰り返すだけ。
じゃあ、なんで赤で描いているんだ?
次に抱くであろう疑問を、その人は投げかけました。
当然です、アルパカは赤くはないんですから。
でも……
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