21: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/31(月) 23:53:09.15 ID:qA4i4zbEo
* * *
──果南ちゃん。果南ちゃん。
ただ、呼ぶと果南ちゃんはいつもそこにいた。
私の手を引いたりするわけでもない、でも置いてったりしない。
そう、ただいつも、そこにいた。
だから、ショックだった。
いつもそこに居てくれた果南ちゃんが
産まれたときからずっとずっと一緒だった果南ちゃんが
一番一緒に居たい日に傍に居てくれなかったことが。
──でも
千歌「でも……ダメだよね」
梨子「何がダメなの?」
梨子ちゃんが耳打ちしてきた。
どうやら、声に出ていたみたいだ。
千歌「んーん、なんでもない」
顔をあげると、皆が騒がしそうに、誕生日特有の気持ち豪華な料理を食べながら談笑していた。
梨子「主賓がそんな顔してちゃダメじゃない」
千歌「えへへ、ごめん」
梨子「果南ちゃんのこと……考えてた?」
千歌「……うん」
梨子「そっか」
私は何気なく今この場にいる皆に順番に目を配らせる。
梨子ちゃん、鞠莉ちゃん、ダイヤさん、ルビィちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、曜ちゃん……
果南ちゃんはどこを見ても、何度見ても、そこには居なかった。
──あの夏の日と同じように。
胸の奥がジクジクと痛む気がした。
梨子「じゃ、行ってきなよ」
梨子ちゃんは私の目を見てそう言った。
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