【コンマ安価スレ】「黒幕倒して帰ったけど、ちょっと残ってみようと思う」
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12: ◆/9yNbjaibo[sage]
2017/07/31(月) 01:42:54.83 ID:gmbo5LAK0
外が明るくなったと感じる。さっきのほこらの中とは違う風の流れを感じる。俺は目を開けた。

目の前には大きな菜園や木々があった。

ここは我が国の城の中庭。

中庭に大きな魔方陣を展開し、簡単に城に戻れるようにしてある。

さらにこの中庭は空間の拡張をして・・・なんて小難しいことを聞いたことがあるが、学者でもなんでもない自分はわからないことだしどうでもいいこと。


魔法使い「大丈夫でしょうか?少し倦怠感があるかもしれませんが」

姫「ええ、大丈夫よ」

魔法使い「・・・恐らく、王座の間で皆様が準備を終えてお待ちでしょうから。すぐにでもいきましょう」





魔法使いと姫様の後に続き廊下を歩く。さきほどよりいくらか疲れが取れたからか、体の調子がいい。

しかし、なにより倒れて砕けそうだったのは、心だった。



魔法使い「・・・私はここで失礼します」


王座の間の扉の前で魔法使いが立ち止まる。 俺と姫様の2人だけで王座の間に入らなければならないらしい。

魔法使いがパン、と手を叩く。すると、扉がゆっくりと開いていく。


いつも見る、ずっと変わりが無い王座の間では、国の重鎮と、王女様がいた。


王女「・・・!」


扉を開けた時、王女様の目は大きく開かれ、俺と姫様を凝視していた。

王女様の顔半分は、白い仮面で隠されていた。 顔の傷を隠すためだろう。

・・・俺はそれだけで、心が折れそうだった。


王女「・・・帰って、これたのですね」


姫「お母様・・・!その傷・・・!」


姫様は公的な集まりであるにもかかわらず、王女様のもとへ走っていった。


姫「お母様・・・!」


・・・母の胸に飛び込み、ただ泣きじゃくった。


姫「お母様!なにが・・・!?」

王女「・・・姫。あなたこそ怪我は?」

姫「ありません!ですが、お母様が」

王女「・・・大丈夫ですよ」


王女様が、しがみつく姫様を抱き返す。


王女「お帰りなさい。姫」


王女の綺麗な右の目から、一筋の涙がこぼれていた。


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