3:名無しNIPPER[sage]
2017/07/30(日) 18:09:39.11 ID:rbdPa2c80
着ていたTシャツのまま外に出て、避難所へ向かう。早朝のまだぼやけたような空を眺める。新鮮な景色ではない。徹夜明けでよく見る。
ただなんだか、いつもより静かな気がする。蝉がまだ鳴き始めていないからだろうか。道行く人を見かけないからだろうか。こんな時間に起きてはいても外には出ないから少しだけ、非現実感がある。
この世界には私ひとりだけ、なんて事を考えてしまう。
ガヴリール「....それは嫌だな」
あるはずない、わかりきっているはずなのにどこか隅のあたりに湧いて出た不安をかき消すように歩を進め、避難所までたどり着いてチャイムを鳴らした。
ヴィーネ『はーい』
ガヴリール「ヴィーネ、私だ。クーラーが死んだ。このままだともうじき私も死ぬ」
ヴィーネ『....今開けるわ』
扉が開いて、ふんわりとシャンプーの香りが漂う。
バカみたいな不安だった。ヴィーネの顔を見た瞬間にさっきの妄想は泡のように消えていった。それでもなぜだろう、私はどこか不快なままだった。
ガヴリール「.....なぁ、おまえの部屋、暑くね」
ヴィーネ「暑いわよ」
ガヴリール「もしかして...」
ヴィーネ「うん...ごめん。私の家もクーラーが壊れたの」
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