19:名無しNIPPER[sage]
2017/07/30(日) 18:23:18.79 ID:rbdPa2c80
かき氷を食べ終えた私たちは、窓から見える夏の空を眺めている。会話は途切れていた。
室内を支配する熱は朝よりも随分と増して、流れ落ちる汗の量も同様に増している。
髪が首筋に張り付いて気持ちが悪い。不快感は募る一方だった。
私は隣に座るヴィーネに寄りかかった。
ヴィーネ「汗、かいてるわよ」
ガヴリール「嫌ならすぐやめる」
ヴィーネ「あんたじゃなくて、私が」
そうだと思った。
ガヴリール「いいよ、全然。こうしてたい」
ヴィーネ「なら、いいけど…」
試しているわけじゃないけど時折、こうしたヴィーネの優しさを見たくなる。人間界に来て分かったことの一つに人間の醜悪さがある。ネトゲをしていても、学校にいても、付きまとう不快感。人を取り巻く環境の安定感のなさ。…詳しく話すと長くなりそうだから置いておくけど、ヴィーネは、そこから一番遠い場所にいる。優しい場所にいる。
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