87:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 23:48:22.56 ID:aDbJZUbB0
(そう。あなたは私を思い出したわけじゃない。そうやってまた、何度も忘れちゃう。仮に私を思い出せたとしても、もうあなたは、私の側にはいられない)
食蜂は夜空を見上げた。闇に浮かぶ点々とした星と、灰色にちぎれた雲の残像。後5分もすれば色鮮やかな火の花で埋め尽くされるそれを見ながら、胸に淡い思いを描いていく。
(でも、やっぱり私は諦められない。何度でもあなたに会い続けて、いつか本当に私を思い出せる日が来るのを、待つことをやめられないの)
彼女は手を伸ばし続ける。
届かない光に焦がれても尚、奇跡を祈り続ける。
何度もさよならを重ねた奇跡の先に、本当の未来が待っている。
そこで、今度は自分の口から、ちゃんと別れを告げよう。
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