28:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:25:14.86 ID:wKOBUZhB0
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「じゃあ、美波。よろしくね」
29:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:35:44.15 ID:wKOBUZhB0
少しすると流石幼児の足。あんまり進んでいなかったおかげですぐに追いつけた。分かれ道でどっちに行くか迷っているようだ。
「美波、右! ここは右だ!」
流石に伝えるわけにもいかず、もどかしい思いをして見守る。
30:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:49:06.17 ID:wKOBUZhB0
「うーん、うーん」
道端でわかりやすく困っているおばあちゃんがいた。当然良い子の美波は声をかける。
「おばあちゃん、どうしたんですか?」
31:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 21:49:49.36 ID:wKOBUZhB0
「ええっとねえ。村上さん家ってどこかわかるかねえ」
「村上さん……」
くそ! 村上姓はありがちすぎて絞れねえ! まさかあの村上さんか?
32:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:05:34.64 ID:wKOBUZhB0
「では、美波はおつかいの途中なので!」
「ありがとねお嬢ちゃん」
おばあちゃんと別れてまた歩を進める美波。その後は特に障害もなくお店に到着した。
33:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:06:00.11 ID:wKOBUZhB0
「えっと……あれ?」
ガサゴソと買い物袋を探る美波。次第に涙目になってくる。
「う、うぇ、うぇ、メモが、ない……無くしちゃっだ」
34:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:14:05.96 ID:wKOBUZhB0
「み、美波ちゃん。ポッケとかにないかなあ?」
「あ!」
やっぱりポケットに入ってたみたいで美波に笑顔が戻った。
35:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:14:34.10 ID:wKOBUZhB0
なんとか目当ての物を買えたようだ。さて、帰るまでがおつかいだぞ美波。俺は先回りするために踵を返そうとしたその時。
「おじちゃん……」
「どうしたんだい?」
36:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:22:14.59 ID:wKOBUZhB0
特に何もなく帰れた美波。俺はというと先回りしてもう家の中にいた。
「ただいまー!」
「んーおかえりー。ちゃんと買えたか?」
37:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:27:43.97 ID:wKOBUZhB0
「どうしたんだ?」
「お兄ちゃん……美波は嘘つきました。本当はちょっと泣いちゃいました……」
スカートをぎゅっと握って泣くのを我慢している美波。言わなければバレないのに、いや知ってるけど、わざわざ正直に言うなんてなんて健気なんだろう。
38:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:33:35.90 ID:wKOBUZhB0
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「いやあ、あのおつかいは俺史上でもトップクラスに大好きなエピソードだよ」
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