仮面ライダーWss Aの罰/生きることを許されなかった罪
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/07/22(土) 22:11:14.72 ID:CDb58MZl0


「あ〜やっぱり外は落ち着くな。」


この街のシンボルである風都タワー。

そのタワーがよく見える公園で俺は缶コーヒーを飲みながら佇んでいた。

これで一応ハードボイルドに決まった。

まあ隣に亜樹子に言われて買ったおしめの入った袋を持ってなければ完璧なんだが…

しかし子供が出来て亜樹子もすっかり母親になっちまったな。

だが亜樹子なんてまだマシだ。父親の照井はもっと酷い親バカだ。

普段はクールで愛想の欠片もないあいつが赤ん坊の前では赤ちゃん言葉で喋り出すんだぞ。

昔はこの街は汚れているとか散々捲し立てていたあいつが変わるもんだよなぁ。

まあそれも無理もないことだ。

かつて照井はこの街で暗躍していた

ウェザードーパント/井坂深紅郎に家族を皆殺しにされた。

それに亜樹子もこの街に住んでいたおやっさんを訪ねに遥々大阪から出てきたはずだった。

だがおやっさんはビギンズ・ナイトの時に俺たちを庇って死んだ。

つまり二人とも家族を失った過去がある。

その過去を思えば今こうして新たな家族である子供を愛でるのは当然のことだろう。


「そういえばおやっさんも俺くらいの歳にはもう亜樹子がいたんだよな。子供か…」


今は亡き俺の師匠である鳴海荘吉。そのおやっさんにも家族はいた。

だが俺には…

思えばこの数年、ガイアメモリーの驚異から風都の平和を守るために戦ってきた。

それは別に構わない。何故なら俺は探偵であり仮面ライダー。この街を守る義務がある。

だがたまに思うことがある。もしも子供が出来たらどうなのか…

あのおやっさんだって亜樹子という娘がいた。

それなら…俺はどうだろうか…俺に子供が出来たら…

ふとそんなことを思った。

いや、よそう。この街は未だにガイアメモリの脅威に晒されている。

それなのに子供がいたら足でまといになる。

おやっさんだって娘の亜樹子の身を案じていたから長年離れて暮らしていたんだ。

だからこんなことを考えるのはもうやめよう。

さっさと帰ろうと駐輪場に止めてあるハードボイルダーに乗り込もうとした時だった。



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