33:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 19:16:31.48 ID:+NyjqKO10
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『絵里へ
前回絵里に頂いた、順を追って考えてみる、という試みは効果的だったようです。
今回は短期間で多くのことを思い出せました。
1回目の休憩については前回お話ししたので、昼休憩からですね。
お昼ご飯は豪華でしたね。にこの手作り料理に加えて、真姫が持ってきた高級料理まで。
登山中に食べるご飯としては豪華すぎるくらいでしたが。
にこと凛が言い合いをしていたことも思い出しました。
確か凛が両手いっぱいの花を抱えて、にこの頭にかけたのでしたよね。
それが料理の中に入ってしまって、言い合いに発展したのでした。
あの2人はよく言い合いをしますが、仲が良いほど、というものなのでしょうね。
さて、本題はここからです。
順を追って2回目、つまり夕方の休憩のことを考えるたび、頭が激しく痛むのです。
おそらく、3年前に会った「何か」に深くかかわっているのだと思います。
それと同時に、不思議な光景が浮かんでくるのです。
私は心地よい葉擦れの音と木漏れ日の中にいて、誰かと話しているのです。
その誰か、がまたわからないのですが……。
ですがその時、私はその相手に、貴女は木漏れ日のような人だ、と言ったような気がします。
我ながら、歯の浮くような台詞だと思いませんか。きっとその人は、優しく笑う、柔らかな人なのでしょう。
そして、私の大切な人なのでしょう。
その人のことを想うたび、顔も名前も浮かばないのに胸の奥がざわつくのです。
思い出せ、思い出せと、机の上の勿忘草が囁くのです。
あと少し、あと少しで届くような気がするのです。
絵里、私はあと一歩、手を伸ばせるでしょうか。
手を伸ばしてもいいのでしょうか。
この甘い記憶が、黒いもので塗りつぶされることになるのでしょうか。
私は、その人に何をしてしまったのでしょうか。
11月 15日
海未より』
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