20:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 19:04:56.13 ID:+NyjqKO10
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『絵里へ
貴女の自信を持ちなさいという言葉に、少し目が潤みました。
せっかくそう言っていただけたので、多くを思い出してから返事を書こうとしたら、遅くなってしまいました。
ですが、おかげで少しずつあの日のことを思い出してきています。
絵里の手紙が私に力を与えてくれるのです。
あの日、私たちは休憩を、午前に1回、昼食のために1回、夕方に1回取りました。
最初の休憩は小川の近くでしたね。
水に近い岩場は少し空気がひんやりしていて、過ごしやすかったのを覚えています。
私ははしゃいでしまって、荷物を下ろしてすぐ、辺りの花の写真を撮りにその場を離れました。
そういえば、買ったばかりのカメラの初期設定が分からずに恥をかいたことも思い出しました。
きっと誰かが私に使い方を教えてくれたのだろうと思うのですが、誰だったか思い出せません。
機械に強い、にこでしょうか。
ああでも、にこは貴女や真姫と一緒に小川に足を浸して涼んでいましたね。
では他の人なのでしょう。
それに、肝心の花の写真を撮れたのかどうかもわかりません。
いまだ穴の多い記憶ですが、少し進歩できたのではないでしょうか。
このまま思い出していって、身体の震えも止まるといいのですが。
家族や友人に早くお礼をしなければと思います。
もちろん絵里にも。
そういえば絵里、前回の手紙ですが、書いた日にちが絵里の誕生日ではありませんか?
おめでとうございます。これで21歳ですね。
お身体にお気をつけて。
11月 2日
園田海未』
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