14:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 18:59:49.80 ID:+NyjqKO10
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街には早めの木枯らしが吹き始めていた。
2人は、駅でぼうっと手を繋いで立っていた。
凛「……絵里ちゃん」
花陽「帰って来てたんだね」
絵里「久しぶりね、凛、花陽」
凛「……」
花陽「うん、久しぶり……」
力なく笑う花陽は、少し痩せたようだった。目の下にも隈がある。
凛は髪を伸ばしていた。昔見せた快活さは鳴りを潜め、すっかり大人しい女性という風貌だった。
絵里「もう少し喜んでくれてもいいじゃないってのは、わがままかしら」
凛「……無理だよ、そんなの」
小雨のような声だった。
花陽「随分と急だったみたいだね」
絵里「……話すと長くなるんだけどね」
花陽「大まかには希ちゃんから聞いてるんだ……。ことりちゃんの件だよね」
絵里「むしろ、海未の件と言うべきね」
花陽「……そっか、まだ……」
凛「……海未ちゃん」
もぞもぞと落ち着かなさげに、凛は身を捩った。
絵里「いつか絶対会って話せるわ」
凛「……わかんないよ、そんなの」
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